家庭菜園

第5章 収穫と活用:5.2 収穫物の保存と活用

家庭菜園で収穫した野菜を無駄なく活用するためには、適切な保存方法を知ることが重要です。また、収穫量が多い時期には、加工による保存も効果的です。今回は、野菜の保存方法と活用方法について詳しくご説明します。

野菜別の保存方法

葉物野菜の保存

葉物野菜は傷みやすいため、適切な保存方法が特に重要です。

【小松菜・ほうれん草】

  • 洗浄:泥を丁寧に洗い落とす
  • 水切り:十分に水気を切る
  • 包み方:キッチンペーパーで包み、ビニール袋へ
  • 保存温度:3-5℃
  • 保存期間:4-5日程度

【レタス類】

  • 丸ごと:根元を切り、ラップで包む
  • カット済:水気を切り、密閉容器に入れる
  • 保存温度:5℃前後
  • 保存期間:約1週間
  • 注意点:結露を防ぐ

果菜類の保存

【トマト】

  • 完熟品:室温(20℃以下)で保存
  • 半熟品:紙袋で追熟
  • ヘタの向き:上向きに置く
  • 保存期間:5-7日
  • 注意点:冷蔵は風味が落ちる

【きゅうり】

  • 洗浄:軽く水洗い
  • 包み方:新聞紙で包む
  • 保存温度:10℃前後
  • 保存期間:1週間程度
  • コツ:立てて保存

根菜類の保存

【大根】

  • 葉の処理:切り落とす
  • 包み方:新聞紙で包む
  • 保存温度:3-5℃
  • 保存期間:2-3週間
  • 注意点:乾燥を防ぐ

冷蔵・冷凍の仕方

効果的な冷蔵保存

冷蔵保存の基本は、適切な温度と湿度管理です。

【野菜室の使い分け】

  • 上段:葉物野菜(5-10℃)
  • 中段:果菜類(8-12℃)
  • 下段:根菜類(3-7℃)

冷凍保存のテクニック

冷凍保存は、収穫量が多い時期の長期保存に効果的です。

【冷凍の基本手順】

  1. 下処理
  • 洗浄と水切り
  • カットサイズの調整
  • ブランチング処理
  1. 冷凍方法
  • 小分けにする
  • 空気を抜く
  • 日付を記入
  • 適切な保存容器を使用

簡単な加工方法

収穫量が多い時期には、加工保存がおすすめです。

乾燥保存

【干し野菜の作り方】

  • 薄くスライス(2-3mm)
  • 天日干しまたは食品乾燥機を使用
  • 完全に乾燥させる
  • 密閉容器で保存
  • 保存期間:3-6ヶ月

対象野菜:

  • 大根(切り干し大根)
  • にんじん
  • ごぼう
  • かぼちゃ

漬物作り

【基本の浅漬け】 材料:

  • 野菜 500g
  • 塩 大さじ1
  • 昆布 5cm
  • 唐辛子 適量

手順:

  1. 野菜を適当な大きさに切る
  2. 塩をまぶし、30分程度置く
  3. 軽く水気を切る
  4. 調味料と和える
  5. 冷蔵庫で2-3時間なじませる

常備菜作り

【定番の常備菜】

  • きんぴらごぼう
  • なすの煮浸し
  • 大根のそぼろ煮
  • トマトソース

おすすめレシピ集

葉物野菜のレシピ

【小松菜の炒めもの】 材料(2人分):

  • 小松菜 1束
  • にんにく 1片
  • 油 大さじ1
  • 塩コショウ 適量

作り方:

  1. 小松菜を3cm長さに切る
  2. にんにくをみじん切りにする
  3. フライパンで炒める
  4. 調味料で味を整える

根菜類のレシピ

【大根の煮物】 材料(4人分):

  • 大根 400g
  • だし汁 400ml
  • 醤油 大さじ2
  • みりん 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1

作り方:

  1. 大根を一口大に切る
  2. だし汁で煮る
  3. 調味料を加える
  4. 柔らかくなるまで煮込む

保存食レシピ

【トマトソース】 材料:

  • トマト 1kg
  • にんにく 2片
  • オリーブオイル 大さじ2
  • 塩 小さじ1
  • バジル 適量

作り方:

  1. トマトを湯むきする
  2. 鍋で煮詰める
  3. 調味料を加える
  4. 容器に入れて冷凍保存

次回は、オフシーズンの管理について詳しくご説明します。